更新: 2023年 5月 22日
松伏町教育委員会教育長 岡田直人です。
はじめに、町民の皆様には日頃より松伏町の教育行政にご理解をいただくとともに、様々な形でご支援、ご協力いただいておりますことに感謝申し上げます。
心配される新型コロナウイルス感染症ですが、4月から学校でのマスク着用は原則必要がなくなり、給食の黙食も無くなりました。5月8日には、感染法上の位置づけが2類相当から5類へと変更になり季節性インフルエンザと同じになりました。早くみんなが安心してマスクを外し、元気に活動できるようになることを願っています。
さて、学校教育につきましては、児童生徒と教師、児童生徒相互の信頼関係に基づいた豊かな人間関係を基盤とした教育を推進します。その中で、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」の実現を目指した「令和の日本型学校教育」の実現を目指してまいります。そのために、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない個別最適な学びや協働的な学びを実現するための授業改善や、その学びを支える環境の整備を進めてまいります。
学校教育が抱えている今日的課題として、学力の問題に加えて学校で学ぶ子供たちの多様化があります。
まず、特別支援学級に在籍する児童生徒は増加し続けておりこの10年で約2倍となっています。
さらに、通常学級に在籍する小中学生の8.8%に発達障害の可能性があることが昨年12月に文部科学省の調査からわかりました。この数字は、教員への調査で医学的な裏付けがあるものではありませんが10年前の前回調査では6.5%、20年前の調査では6.3%でしたので、近年指導が難しい児童生徒が急増していることは間違いありません。
また、外国人児童生徒など家庭で日本語を話す頻度が低く、日本語の指導が必要な児童生徒が増えています。
また、本町の就学援助世帯の割合は近隣市町と比べても高く、経済的な困窮を背景に教育や体験の機会が乏しい状況に置かれている児童生徒の存在があります。
生徒指導上の課題としては、いじめの認知件数や暴力行為、不登校児童生徒数の増加があげられます。この内いじめの認知件数については、いじめを初期段階のものも含めて積極的に認知し、その解決に向けた取組を行っていると考えています。暴力行為についても同様に小さなものも暴力行為と捉え指導していると考えています。
しかし不登校については、小中学校とも増加傾向にありその解決に向けた取組は大きな課題です。
このような多様な子供たちが存在する中で、全ての子供たちに応じた教育を充実するためには、これまでの学校教育のままでは対応できないと考えています。どんなに質の高い授業でも、黒板とチョークによる一斉授業だけでは限界であり、1人1台のタブレット端末をはじめとするICTの活用は必要不可欠です。また、保幼小の連携のみならず、小学校教育6年間、中学校教育3年間をそれぞれの考えで教育活動を進めるのではなく、小中学校がしっかりと連携し義務教育9年間で子供を育てていく必要があります。
そして、学校と保護者、地域が一体となって子供たちを育てていくことが重要であると考えています。
また、学校教育の課題の一つとして教職員の働き方改革が挙げられます。これまで日本型学校教育が世界に誇るべき成果を挙げることができたのは、子供たちのためであればと頑張る教師の献身的な努力によるものであるといえます。学校における働き方改革は、働き方改革そのものを目的とした働き方改革ではなく、教員が職責を果たし児童生徒の成長につながる働き方改革でなくてはなりません。教育委員会としましてもこの視点に立ち、働き方改革を推進してまいります。
人生100年時代を迎え、生涯学習、社会教育、文化振興、文化財保護・町史編さん、社会体育などそれぞれの事業において、町民一人一人が主体的に活動し、充実した生活ができるよう施策を進めてまいります。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、多くのイベントを伴う事業が中止や規模の縮小を余儀なくされました。
しかし、令和5年5月には新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが変わり、時を同じくしてWHOが緊急事態宣言を解除しました。このような状況を受け、感染拡大防止に関する対応について改めて検討したうえで事業を推進していくとともに、常に新しい発想をもって活動の充実を図ってまいります。
そして、町民の皆様が生涯にわたり、いつでも自由に学習機会を選択して学習することができる生涯学習社会の構築と、生涯の各世代にわたる社会教育の内容と施策の充実を図ってまいります。
むすびに、新型コロナウイルス感染症の収束を心から願うとともに、町民の皆様には本教育委員会の教育行政にご理解とご協力をお願い申し上げあいさつといたします。
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